自律分散するボールによるベアリング500年目の変革
=保持器無しによる滑り摩擦解消・オイルに頼らない、故障対策を伴う劇的ソリューション=
ベアリング玉同士の接触を防ぐ保持器で囲ったベアリング構造は約500年程前、レオナルド・ダ・ヴィンチにより発明されました。
この保持器を用いて玉間隔を一定に保持する機構は今現在に至っても変わることなく使われています。
保持器を用いたボールベアリングが世に出てから時を経ること500年、ついに理想的なベアリングの動作を可能にする技術として
ADB(Autonomous Decentralized Bearing / 自律分散式転がり軸受) が発明されました。[特許:JP,US,CN 登録済]
ADBベアリングは保持器を使用せずに玉同士を自律的に分散させ非接触にする画期的な新しいベアリング技術です。
従来においては、玉と保持器との滑り摩擦の為に潤滑剤が必要でした。
また玉と保持器との摩擦は高い駆動トルクや摩耗・摩耗粉による錆びの発生など様々な問題を引き起こします。
ADBは保持器なしで回転中の玉が自律的に分散し玉同士が非接触の状態を実現します。
これにより保持器に起因するほとんどの問題が解決され、極めて低摩擦での省エネルギー高効率・高速回転性能、耐久性・耐荷重性、オイルフリーでのメンテナンス性、保持器スペースの解放による設計自由度等が向上し、より小型・軽量のベアリングの採用も可能にします。
株式会社BreYBra(ブレイブラ)は、これまで難しかったADBの量産に成功し
これにより広く需要にお応えできるようになりました。
実使用の多いベアリングサイズを中心にADBベアリングの普及を進めるべく、事業を展開してまいります。
お知らせ
自律分散式転がり軸受ADBの動作原理
ADBベアリングは外輪軌道に凹部(分散起点)を形成することで負荷領域に侵入する玉を分散させる技術です。
凹部はボールが接触しないために、その回転半径が縮小します。(①)
これにより侵入したボールは、僅かに自転エネルギーが増加、代りに公転エネルギーが減り、減速します。
逆に分散起点を脱出するボールは回転半径が増大することにより、自転エネルギーの一部が公転エネルギーに代って加速(②)、後継ボールの間に隙間を作り分散します。(③)
分散起点は外輪の溝底を掘り下げているので、ここを通過する玉は内輪との間に隙間が出来ます。(④)
分散起点内のボールが減速する際に後継ボールが接触しますが凹部のボールは無負荷領域であるので、そのダメージは無視できます。(⑤)
上記の原理により、ベアリングの回転とともに玉が自律的に分散動作を行い、保持器なしで玉同士が非接触のボールベアリングが完成しました。
ADBは保持器と玉とのすべり摩擦を解消し、保持器に起因するあらゆる問題や制約からの解放を可能にします。
※ADBは通常、遠心力の力により分散動作を実現します。よって 遠心力 > 重力 となるような低~中速回転域以上においてより高い性能を発揮します。
JAXAご提供
LowFriction & Efficiency
滑 り 摩 擦 の 解 消 に よ る
圧 倒 的 低 摩 擦
保持器が不要となったベアリングではほぼ滑り摩擦は発生しなくなり転がり摩擦のみとなります。
滑り摩擦の摩擦は転がり摩擦の50倍以上!
グリス不要のため粘性抵抗もありません。
これらにより消費エネルギーを各々最
大1/14に低減します。
エコマラソン長野2016では前輪の2つをADBに交換した長野高専のエコカーが燃費7.5%UPを達成し大会新記録を出しました。
High Lord Capacity
高 負 荷、耐 荷 重 性 の 向 上
低摩擦であることにより高負荷時においても回転を阻害しないことは大きなメリットです。
しかし、それにとどまらずADBでは保持器が不要となったことにより従来よりも多くの玉をベアリング内に充填可能になります。
これによって玉一つ当たりが受ける荷重が分散し、より高い耐荷重性能を有することができます。大きな荷重や高負荷条件下でもより長い耐久性と無理のない運用を維持することができます。
耐荷重性の要件により、大きなベアリングの採用を余儀なくされていたケースにおいては玉数の増加により、小型のベアリングの採用も可能にします。
円錐ころ軸受からの変更も可能です。
Ultra High Speed
未 踏 の 超 高 速 回 転 域 へ
低摩擦による回転性能向上のみならず、低摩擦による発熱の低減に伴う熱膨張の軽減もより高い回転域への到達を可能にする重要な要素です。熱による玉や内外輪の変形・膨張を抑え異常抵抗の発生を抑制します。
また回転が速くなることで強く影響する遠心力やジャイロモーメントによるすべり現象も高速回転を阻害する要因ですが、保持器との滑り摩擦を排除したADBではこれを高いレベルで抑制し従来到達が難しかった超高Dmn値へ導きます。
小型ベアリングの優位な高速回転特性は、小型化が期待できるADBでより一層超高速回転域での運用をサポートします。
ターボチャージャー・電動ターボでの実使用においては従来比3~5倍もの回転数を達成しています。
Damage Prevention
不 具 合 を 抜 本 的 に 解 決
長 寿 命 ベ ア リ ン グ
玉の公転速度のバラつきにより従来では玉詰りが生じる場合があります。すると、保持器の摩耗や玉が軌道を滑る早期損傷を発生させます。
(これは取付精度の要求や水を嫌う理由になります)
玉同士が非接触のADBでは玉と軌道が滑ることがないため、長期に渡り良好な性能を発揮し潤滑不足による問題の発生も回避します。
保持器自体がないことも、保持器の変形や摩耗、摩耗紛による錆び等による不具合の原因となる大部分を解消しています。
Maintenance Free
オ イ ル レ ス
メ ン テ ナ ン ス を 長 期 化
滑り摩擦を排除することで可能となったオイル・グリスレス運用。
従来では保持器と玉との滑り摩擦に起因する問題を緩和するためにグリスやオイルによる潤滑はベアリングの運用にあたり本質的な課題でした。
しかり滑り摩擦がなくなると潤滑に頼る必要はなくなり、潤滑状況の管理も必要なくなります。
従って、定期的に必要となるメンテナンスの間隔を伸ばし、長寿命と合わせて維持・運用コストの引き下げに大きく貢献します。
Make Design Free
高 い 設 計 自 由 度
保 持 器 に よ る 制 約 の 解 放
保持器が取り除かれたことによりベアリング内で保持器が占有していたスペースや組立て工程で必要になる構造上の制約がなくなり小型化や用途に応じた設計への自由度が向上します。
ベアリング内外輪の形状そのものから、周辺との一体化、軌道の曲率や玉の大きさの選択肢に対して柔軟性があり、より多様な性能要件に対応可能です。
In Various Environments
過 酷 環 境 下 で の
幅 広 い 可 用 性
オイルレスで使用可能なADBは無潤滑性能が決め手となる高温化での使用に最適な性能を発揮します。
またADBは水潤滑のみで良好な性能を発揮し、保持器からの摩擦紛による錆びも防ぐことから水中での使用にも適しています。
他にも真空・無重力下での使用や保持器材質による制約を受ける耐薬品性が必要となる環境、使用するグリス等の衛生制約の厳しい環境、取付精度が出しにくい用途等、幅広い条件下での使用に応えます。
High Self Alignability
高 い 調 心 性
取 付 精 度 に 対 す る 柔 軟 性
ボールベアリングでは回転軸に対して傾いた状態で使用、または傾くようなモーメント荷重を受けると玉毎に異なる力がかかり玉の公転速度が不均等になります。これにより玉と軌道輪との滑りが発生します。
この際に保持器があると滑りが生じた玉と保持器との摩擦が静摩擦に変わり、自転復帰を阻害し大きな滑り量となります。
保持器のないADBではそのような制御不能な滑りを高いレベルで抑えられるため、高い調心性があり、粗い取付精度での使用やモーメント荷重に強いベアリングとなっています。
採用事例・導入実績
- 宇宙ロケットの方向(推進機)制御アクチュエータ軸受として使用、打上げ成功
- 海洋ドローンのスラスター(動力機)防水無しの海水潤滑軸受として使用され、良好
- 真空コーティング装置内の回転ステージ軸受として使用され、寿命延長
- 蓄電フライホイールに採用。磁気軸受のみでしか実現できなかったがADBにて真空下・無潤滑で長寿命運用へ
スケートボードにADBを搭載
速度アップとより高いジャンプを実現しています
ADBの製造方式
ADBではいくつかの組立・製造方式があります。用途や制約に応じて使い分けを行います。
方式 | アンギュラ玉軸方式 | 内輪穴充填方式(特許取得) | 内輪組立方式 |
適用ベアリング例 | アンギュラ玉軸受 | 深溝玉軸受、複列アンギュラ玉軸受 | 4点接触玉軸受 |
製造方法 | 外輪片側の肩を削り(図のように内輪の肩も削る場合があります) 冷却した内輪と玉の Assy に加熱した外輪を軸方向から挿入することで組込む方法です。 | 内輪に設けた穴から玉を充填し、内径面側からキャップで蓋をする組立方法です。 ※キャップの材質は通常POMを使用しますが耐熱が必要な場合は金属も可能です | 内輪が分割可能な構造のベアリングにおいては 組立ての過程で玉を含めベアリングを 製造することができます。 |
特徴 | 通常のアンギュラ玉軸受の特徴を引き継ぎます。 ラジアル荷重と一方向のアキシャル荷重を支持します。 2個組み合わせて使用することでモーメントも支持します。 | 両方向からのアキシャル荷重を受ける用途のベアリングに適しています。 ADBの玉は遠心力以外の法線方向力を受けないので、すくなくとも高速動作中の玉はキャップと接触せずに外輪に倣います。 | 4点接触玉軸受が適用可能な用途においては 左記のアンギュラ玉軸受や深溝玉軸受を 上回る特性を備えます。 従来の4点接触玉軸受は複合荷重などにより 保持器摩擦の問題が顕在化し用途が限られていましたが、ADBの保持器がなく玉が分散する特性により、適用可能な場面が広がりました。 ・より少ないアキシャル隙間と角隙間を実現 ・高い付加容量と低損失で安定した高速回転 |
その他、用途によって横入れ溝充填方式もございます。
また、スラスト玉軸受やピボット玉軸受等に対してもADB技術を適用可能です。
ナノダイヤコートを用いた潤滑
―転がり接触面内の滑りを転がり化する1/100,000 mmのダイヤ粒子をマシンオイルに分散させたADBの推奨潤滑剤―
ADBではオイルレスでの使用が可能ですが、ナノダイヤコートをADBと組合せることにより転がり接触面の潤滑に特化した差動滑りを吸収する固体潤滑剤の特徴を引き出す高い性能と長い潤滑寿命を共に可能にします。(特許取得)
ボールと軌道の転がり接触面では、公転方向に正逆方向の微小な滑りが生じます。
ここにナノダイヤを介在させると、滑りが転がりに代ると共に、ナノダイヤの濃度を均等化する循環流(赤矢印)が生じ、領域外への流出を減らします。
従来のベアリングでは、ナノダイヤが保持器との滑りによって軌道から排除され易く、これを循環利用するために油やグリースに混ぜる使い方は、高温や真空環境に強い固体潤滑剤の特徴を生かすことが出来ませんでした。
油量は従来の1/100程度
虹彩を呈する程度の微小量を使用目安とするセミドライ潤滑です。
補給は、虹彩の消失またはトルクが初期値から2倍程度に
上昇したタイミングを目安としてください。
※長期にメンテナンスなしで性能を維持する需要に対して、ナノダイヤグリスの用意も可能です
水潤滑においてもナノダイヤ潤滑を利用可能です。ご相談ください。
LINE UP ・ ご購入
※弊社でベアリング球として採用しているセラミック(Si3N4)は通常のベアリング鋼に比べ熱膨張率1/7、硬度約10倍、比重2/5
といった特性を有しており電気もほとんど通さないためベアリング球として適した性質を保持します。
特にADBではセラミック球を使うことにより高い性能特性向上効果がございます。
製品 | 仕様 | 価格(税込) |
---|---|---|
ADB S608VV/C | 外径22mm、内径8mm、幅7mm、セラミック球11個 内外輪ステンレス、深溝玉軸受け内輪穴充填方式(POM製キャップ) | 3,300円 |
スケートADBセット | ADB S608VV/C 8個セット 用途: スケートボード、ブレイブボード、インライン、ストライダー、ペニー等 | 19,800円 |
ナノダイヤコート | 1桁nmナノダイヤモンド高分散低粘度潤滑オイル 内容量: 7ml | 2,000円 |
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特許違反発見へのご協力のお願い
ADBの基本技術は空スペース社保有の特許技術となります。
特許技術と知らずに使用されている事例や、特許実施権を得ずに日,米,中での製造、販売、使用のどれかに該当した場合は特許侵害となります。
またADBに対する製造の排除行為(ADB製造協力業者の商流からの排除など)は独占禁止法違反の対象となります。
上記、ご連絡頂いたのちに特許実施料等を得られました場合、総額の10%を謝礼金としてお支払い致します。
いかなる場合でも情報提供者の秘密は厳守し、結果についてご報告いたします。
ベアリング使用製品で従来より飛躍した性能や特性向上がある場合はADBが使用されている可能性がございます。
上記お問い合わせより情報をお待ちしております。